デジタル一眼レフカメラ(以下デジイチ)やコンデジ(以下コンパクトデジタルカメラ)を持っているけど、使い方がイマイチよくわからない。AUTO機能でもきれいな写真は撮れるし、説明書や参考書は買ったけど、結局読んでいない…。
ネットショッピング運営者なら、自信をもって紹介したい商品も、基礎知識やテクニックを知らなかったが故に、 「あれ?全然ステキ商品に見えない…」と肩を落としたことはありませんか?簡単なフォトレタッチ機能がついているカメラもありますが、 実物がイメージしにくい写真はエンドユーザー様とのトラブルの元にもなりかねません。 素材として販売しようと考えている方、 俊足のお子さんの運動会までに腕を磨いておきたい方、とにかくデジイチマスターへのスタートラインに立ちたい方におススメの講座です。
その名も、苦手意識を克服!デジイチの基礎知識をはじめから丁寧に 商品写真撮影のイロハ~基礎知識編~
今回はデジタル一眼レフカメラの基礎知識を徹底的に解説します。しかも、講師は プロのフォトグラファー。説明の分かりやすさが ズバ抜けています。
デジイチ(一眼レフ、ミラーレス)で上手な写真を撮影するために、絶対押さえておきたい基礎知識を、イチからじっくり説明していきます。この講座での内容がマスターできれば、 写真の上達が飛躍的に早くなるはず。
出演は以下の方々
- 講師 studio9 フォトグラファー/フォトインストラクタ/studio9 代表 中原 一雄 氏
- 解説 GMOペパボ株式会社 EC-Campus モデレーター 山下 諭 氏
- コメンテーター GMOペパボ株式会社 イベントオーガナイザー 佐山 佑太 氏 デジタル一眼レフカメラ Canon EOS70Dを最近購入したばかりの 初心者代表
それでは「商品写真撮影のイロハ~基礎知識編~」スタートです!
次に挙げる用語のうち、いくつきちんと理解していますか?
【佐山】 RAW・露出補正・ISO感度・絞り・シャッタースピードくらい…ですかね。ホワイトバランスとかF値、MFって、もうなんなんだっていう感じですよ。
【中原】では、その用語の説明はできますか?
【佐山】 ISO感度…明るさ!(元気いっぱい☆)
【中原】明るさ …ふっ、ま、明るさなんですけど。
(中原氏、今、 絶対ちょっと笑ったろ!…あぁ、いかんいかん、私も初心者でして、どうしても佐山氏に肩入れしてしまうんです…。)
ぜんぶ知らなくても写真は撮れる
【中原】 AUTO機能も充実してますし、センスがいい人はそれだけでも十分いい写真は撮れるんです。でも、先ほど上げた用語を理解できると 上達のスピードが3倍速くなります。そして、 10倍面白くなります。
【佐山】はやく楽しくなりたいです!(元気いっぱい☆)
【中原】はい、楽しくなるには、頭が痛くならない程度の知識の方が良いので、ゆる~く説明していこうと思います。ぜひ手元にお持ちのカメラを持ってきていただいて、お酒でも飲みながら僕の話を聞いてください(笑)
本日のコンテンツ
- デジイチとコンデジの違い
- 絶対覚えよう、明るさの3要素
- カメラの設定と写真の色の関係
カメラが光を記録する仕組み
【中原】カメラはモノではなく、ヒカリを記録します。例えばペットボトルに入った水を撮影しようとします。そこでカメラは、ペットボトル入りの水(物体)を撮影するのではなく、蛍光灯などからの光によってペットボトルやその中に入っている水に 反射した、その光を記録するのがカメラなんです。
光を記録する仕組みは、 レンズ→絞り→シャッター→イメージセンサーの4つの関門を光が通過して初めて写真になります。まず光が レンズ(第1関門)の中に入ってきます。そうすると 絞り(第2関門)という部品を通ります。この絞りは、レンズに入った 光をどれだけ通してあげるかの交通整備をするような部分です。
3つの関門に シャッターというのがあります。 シャッターはカーテンのようなものだと考えてください。バッと入ってきた光に対して、シャッターは幕を下ろして通さなかったり、上げて光を通したりする機能です。ここで「何秒間光を通すか」という設定をします。
ぉおおおお!なんとわかりやすい。
【中原】レンズ→絞り→シャッターを抜けた光がようやく、4つ目の関門 イメージセンサーという部品に到達します。
レンズ・絞り・シャッターまではついてこれました。で、イメージセンサー。 イメージセンサーってなんぞ?
【中原】イメージセンサーというのは、少し前でいうとフィルム、ですね。ここで光を記録します。
フィルム!今の子供たちって、フィルムのあのケースがないこの時代に、どうやって工作で車を作るんでしょう。タイヤ部分、 ヤクルトじゃちょっと強度に欠けますよね。…心配(なんの。)
デジイチとコンデジの違い
デジイチとはデジタル一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ、コンデジとは従来のコンパクトデジタルカメラのことです。
【中原】デジイチとコンデジの決定的な違いは何かというと、イメージセンサーの大きさです。 デジイチって大きくて重たいですよね。それはイメージセンサーが大きいから、本体がどうしても大きくなっちゃうんです。イメージセンサーが大きいから、高画質の写真が撮れるんですね。
ちなみにこのイメージセンサーのサイズですが、普通のコンデジを1倍とすると、フォーサーズはその5倍、 一般的な一眼レフで8.6倍、上級者向けのフルサイズになるとなんと20倍だそうです!桁違い!
【山下】…ってことは単純に、ファイルサイズが大きくなるということですか?
【中原】そうですね、ファイルサイズはイメージセンサーの大きさに従って、大きくなります。ただ、ファイルサイズは画素数に関係してくるので、単純に普通のコンデジとフルサイズではファイルサイズが20倍違うということではないです。
イメージセンサーサイズ以外にも!まだまだあります、デジイチの利点!
- カメラを細かく設定できる
- ピント合わせ(AF=オートフォーカス)が速い
- USB端子やストロボなど、さまざまなアクセサリーと連携できる
- RAW現像ができる
- 信頼性が高い
【佐山】カメラの規格ってメーカー(CanonやNikonなど)問わず同じですか?
【中原】レンズは違います。 Canonのデジイチを買って、Nikonのレンズをつけようとしても、それはできないですね。ただUSB端子なんかはどれも統一規格なので、安心して使えますよね。ミラーレスでいうとオリンパスとPanasonicのマイクロフォーサーズっていう規格はレンズを使いまわせます。
【山下】 CanonやNikonとかメーカー選びって、その人の好みが出るから、一番最初に何を選ぶかって大事ですよね。
【中原】特にCanon派・Nikon派は分かれますよね。ここにいる3人はたまたまみんなCanon派ですね。
ちなみに私は Nikon派。理由は…Nikonのロゴと、フォルムがスマートでカッコいいから。知識ゼロで買ったので直感ですね。あと、 撮れればなんでもいいという人もいます。中古で一番安いのを買って、使っているんですが…その人、良い表情や風景撮るんですよね。猛者です。選び方は人それぞれ。 愛着の湧く逸品を探してみてください。
【佐山】あの僕、「RAW現像」っていうのがイマイチ分かっていなくて… 簡単に詳しく教えていただけますか?
【山下】簡単に詳しくって(笑)
【中原】写真を撮った時に記録するデータというのが、2種類あります。 JPEG(ジェイペグ)と RAW(ロー)というんですが、初期設定ではJPEGになっていることが多いです。なにが違うのかというと、 JPEGは写真を撮る→光がイメージセンサーに入る→その光を写真にするためにカメラの中で計算するんです。その結果写真として出てくるのがJPEGです。ただそのままではファイルサイズが大きいので データに圧縮がかかってるんですね。だから見る分には問題ないんですけど、画像処理するには画質が荒く質が落ちるんです。 RAWというのは英語で 「生」「未加工」という意味です。 イメージセンサーに入ってきた光を、そのまま画像エンジンで計算して写真にする前に、データとして記録しちゃうんですね。だから写真じゃない、カメラに入ってきた光のデータなんですね。だからめちゃめちゃキレイな画像が取れるんですよ。その分データの容量はJPEGにくらべて5~10倍くらい大きいですけど。あとRAWの写真を見るためには、RAW現像ソフトというものにいったん入れて、写真に変換しなければいけないんです。
【山下】フィルム時代は撮っただけじゃ見えなかったでしょ?撮ったネガ/ポジフィルムっていうものを、現像屋さんに出しに行かないと写真が見れなかったのと同じことですね。
【佐山】なるほど…これってフォトグラファーさんは皆さんやるんですか?
【中原】え~と… あるレベルを超えると… RAWに興味津々になっていきます。…RAW一回やると もうやめられなくなるんですよ。
【山下】…やめらんないですねぇ。
なにこのイケナイ雰囲気。会話だけ見ると 「ダメ、絶対」みたいな流れになってますが、いやこれRAW!試してみたいですね~!
絶対覚えよう、明るさの3要素
【中原】今日のメインです!これだけは絶対に覚えていただきたい!写真の明るさはこの3要素の合わせ技で決まります。これをきちんとできていたら初心者卒業です!いや、 正しく理解できればもう中級者ですよ!このあとはもう 構図とかスタイリングとか、感性を磨く方にシフトしていけますから。
明るさの3要素
- 絞り値(F値)
- シャッタースピード
- ISO感度
絞り・シャッター・センサーのイメージ
【中原】車が駐車場に入ってくるイメージで考えてみましょう。
いろんな色の車(光)が来ました。最初は3車線だったのを 途中から2車線規制(絞り)をします。2車線に変わったことで 車(光)が入ってくる量が減りました。駐車場(イメージセンサー)に入ってくる車(光)の量をコントロールするために、 信号機(シャッター)を使って止めたり・通したりして調整します。そして 駐車場(イメージセンサー)に到着する、という考え方ですね。
絞り値(F値)
【中原】初心者が最初に挫折する鬼門…。人間の目でいうと瞳孔(黒目)と同じ働きをする。レンズの中にある光の通り道(絞り)の開き具合を数字で表してものです。
- 光の通り道が広い=F値が小さい
- 光の通り道が狭い=F値が大きい
…あれ?思っていたイメージと 逆ですね。どうやら現時点では正確な数値を覚えるより、認識をきちんと持つことが重要ですね。
シャッタースピード(SS)
【中原】イメージセンサーに光を当てている時間のこと。 高速の被写体なら1/1000秒くらい、歩き程度なら1/200~1/100秒、被写体をブラしたいなら1/10秒くらいが目安。 シャッタースピードが速ければ、その分 手振れもしない。スポーツの写真など 躍動感のある写真の瞬間を捉えたいときにおススメですね。 ブレを活かした写真( 星の動きを線のよう捉えた写真など)は1時間くらいシャッターを 開きっぱなしにします。
ISO感度
【中原】イメージセンサーに入ってきた光をどれだけ増幅させるか。10で記録された光を20や100に増幅させる設定についてご説明します。
- ISOが小さい=光を少ししか増幅しない+高画質(ノイズがない)
- ISOが大きい=光をたくさん増幅する+低画質(ノイズがたくさん)
ただここ1~2年に開発されたデジイチなら、最近の技術革新は目覚ましいですからね、ISO1600くらいまでは画質の劣化をあまり気にしなくても良いです。
F値・シャッタースピード・ISO感度のそれぞれが互いに作用しあって、写真の明るさが決まります。
ここからセミナーは実演を交えて、露出補正とカメラの持つ特性や、実際にブツ撮りをしてみます。これは是非あなたの目で確認していただきたい!動画はコチラ から!